笑顔あふれる熊谷東中学校
校長 清水 利浩
新年あけましておめでとうございます。皆さんにとって、今年の冬休みはどのようなお休みでしたか。新しい年の抱負(目標)もしっかりともてたことと思います。さて、皆さんに質問しますね。お正月の伝統的な遊びをいくつあげることができますか。カルタ(百人一首)、すごろく、福笑い、羽根つき、たこ揚げ、コマ回し、だるま落とし、おはじき、お手玉、けん玉、めんこなどがあります。そして、皆さんは、この中でこのお正月にいくつ体験しましたか?
示した絵は、福笑いです。本校の美術部の皆さんにつくってもらいました。とっても完成度が高いです。福笑いという遊びは、ひょっとこやおたふく、だるまの顔などの面の輪郭だけが描かれた台紙に、眉や目、鼻、口の形の紙片を、目隠しをして台紙に置いていく遊びです。出来上がった顔は、並べる人が目隠しをしているため、想定外の場所に置かれることが多く、その出来上がりの顔立ちの面白さを、皆で笑い合う遊びです。「笑う門には福来る」というように、新年早々、笑いがこぼれるのが、大変めでたいものとされ、江戸時代からお正月の子どもたちの伝統的な遊びとなっています。
私は、2年生で行われた校外学習の時に、上野の東京国立博物館の「はにわ」展に行きました。館に入り、まず出迎えてくれたのが、熊谷市出土の「埴輪 踊る人々」の2つの埴輪でした。さらに進むと、たくさんの人物はにわに出会うことができました。それぞれの埴輪の表情や顔つきは、ユニークで、ゆるささえも感じられ、不思議と親近感を感じました。険しい表情は全く感じられませんでした。展示されているいくつかの埴輪だけで当時の人々を想像するのは、言いすぎかもしれません。しかし、遠い昔、古墳時代の人々が、後世の私たちに残してくれたメッセージを読み解くことができそうです。埴輪がつくられた当時の熊谷周辺は、きっとこうした埴輪をつくることができる心豊かな人々が生活していたのでしょう、と。
新年のはじまり、この熊谷の地に生きる私たちは、笑顔にあふれ、もっともっと豊かな人間性を磨いていきましょう。そして、魅力ある人々が集う熊谷東中学校を創っていきましょう。