「麦秋(ばくしゅう)」とは、麦を取り入れる季節、初夏の頃をいいます。今日撮影した写真のとおり、現在、黄金色に輝く畑は、とても美しい光景です。
熊谷市で小麦が盛んになった裏には、権田愛三(ごんだあいぞう)氏の存在がありました。愛三氏は江戸時代の嘉永3年、現在の熊谷市東別府に生まれました。当時の麦作りは生産が安定していなかったため、人々は食料不足で困っていました。そのような状況を憂いた愛三氏は、良質な麦の増産を決意し、研究を重ねながら麦作りの改良に取り組みました。技術改良の結果、明治29年には当時の収穫量を4倍~5倍にあげることに成功し、その成果を地域の農家に伝授しました。これを含む愛三氏の数々の貢献に、国は緑綬褒章、大礼記念章を授与しました。こうした実績を称え「麦王(麦翁)(ばくおう)」と呼ばれた愛三氏のふるさと熊谷には、その思いをくんだ良質な麦作りとうどんの食文化が今も伝えられています。(参考 広辞苑、熊谷市ホームページ)